2010年05月24日

<茨城空港>春秋航空と上海定期便の就航交渉 橋本知事、強い期待感(毎日新聞)

 橋本昌茨城県知事は21日の定例会見で、中国の格安航空会社(LCC)として業績を伸ばす春秋航空(本社・上海)との間で、茨城−上海の定期便就航の交渉を進めていることを明らかにした。橋本知事は「今後、中国人向けの観光ビザが緩和される方針も示されており、多くの人が日本を目指して来られる。(10月末までの)上海万博の開催中に就航してもらえたらありがたい」と強い期待感を示した。

 県空港対策課などによると、春秋航空は04年に中国初のLCCとして設立され、現在、中国国内で約40路線を運航している。保有機体数の大幅増や国際線進出などの業務拡大策を検討しており、茨城便就航は今夏を目指しているとみられる。交渉の進ちょく状況について橋本知事は「まだ方向性が見えてきたわけではない。詰めを行っている」と述べた。

 一方、同航空との交渉以外にも、茨城空港は航空自衛隊百里基地との共用空港であるため、安全保障上の課題をクリアする必要がある。3月の開港以来、茨城空港には中国からのチャーター便はすでに発着しているが、いずれも隣接する百里基地で訓練を実施していない日に限定されてきた。中国の航空会社が定期便乗り入れを国土交通省に正式に申請した場合、同省は防衛省との協議を踏まえたうえで認可を出すことになる。

 同課によると、前原誠司国交相と北沢俊美防衛相が13日に防衛省内で会談し、茨城空港への中国便乗り入れについて協議を開始したという。会見で橋本知事は「どういう形でなら、(安全保障上)使用可能かを詰めないといけない」と述べ、両省の協議を見守る姿勢を示した。【大久保陽一】

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2010年05月20日

若葉の季節も魅力満喫 奈良・吉野「歌藤」(産経新聞)

【美人女将の宿】

 桜の季節のにぎわいが去り、静けさを取り戻した奈良県吉野町の吉野山。「芽吹こうとする木々の澄んだ香りが山全体に広がっています。山菜などの山の恵みも、最もたくさんいただける季節です」。吉野の老舗旅館「歌藤(かとう)」の若き女将、歌藤順子さん(29)は、新緑の“オフシーズン”こそ、吉野の魅力を満喫できると話す。(奈良支局橿原通信部 川西健士郎)

 近鉄吉野駅からロープウエーに乗って吉野山駅へ。桜が散ったあとの見晴らしもまた絶景だ。すがすがしい風を感じながら歩く。朱色の欄干が印象的な「大橋」を渡ると、すぐに江戸時代後期創業の「歌藤」が見えてきた。

 迎えてくれた順子さんは10年の下積みを経て昨年、女将になったばかり。夫、健太郎さん(31)の母でもある先代女将の「譲り葉のように後を継がせたい」という希望で、切り盛りを託された。

 「吉野はかつて都から逃れてきた人たちをも快く迎えたもてなしの歴史があります。若い世代が少なくなっていますが、力を合わせて吉野の魅力を発信していきたい」

 そう語る女将がこだわるのは食材。ほぼ毎日、健太郎さんが車で奈良県内の顔見知りの農家をめぐり、大和野菜を直接仕入れる。「日によって採れる野菜が違うので、日替わりのメニューになることもあります」

 山菜がおいしい5〜6月は、ワラビ、コゴミ、ノイチゴなどを自ら採取。「山に自生するミツバは肉厚で味も濃く、お客さんがびっくりされます」と楽しそうに笑う。

 「吉野」を満喫できるのは、食事だけではない。平成9年に健太郎さんの父、彰介さん(60)が築造した「ログハウスホール」は高さ9メートル、樹齢150年の柱をはじめ、吉野産のスギやヒノキをふんだんに使った吹き抜け。大きなガラス窓からは四季折々の自然や野鳥を楽しめる。

 同様に吉野材を使ったログハウスの客室もあり、若い世代に人気だ。吉野材260本で建てた「ログハウス茶房 陽(ひなた)ぼっこ」は、「下千本」のパノラマを一望できる。宿泊客の朝食、観光客のカフェとして活用されている。

 4児の母として育児もこなす女将は、樹液など吉野の自然から抽出したアロマづくりに挑戦中。「奈良たっぷりのおもてなしを、もっともっと追求していきたいと思っています」

 歌藤 歌藤の名字は、吉野を山城として南朝を樹立した後醍醐天皇に仕え、歌を教えた先祖が、天皇から直接与えられたとされる。旅館そばの「大橋」は当時、吉野を城塞化するため尾根を削った堀の跡にかかり、南北朝時代の緊張感を生々しく伝える。周辺には名所旧跡が数多く点在する。

 「歌藤」はロープウエー吉野山駅から徒歩2分。全14室。1泊2食(1部屋3人使用)1人1万3650円〜、ログハウス部屋は1万5750円〜。問い合わせは歌藤((電)0746・32・3177)。

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2010年05月12日

普天間問題 米、「浅瀬案」に難色 あす閣僚協議で最終案(産経新聞)

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題で、政府が検討している米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)沖合に杭(くい)打ち桟橋(QIP)方式で滑走路を建設する「浅瀬案」に対し、米政府が難色を示していることが8日分かった。米側が拒否すれば浅瀬案を埋め立て工法に変更し、日米合意した現行案に近い形で決着するか、シュワブ陸上部に滑走路を造る陸上案しか選択肢はない。5月末決着に向け、鳩山由紀夫首相は一段と苦しい立場に追い込まれた。

 首相は、7日の鹿児島県・徳之島の3町長との会談で徳之島への移設が頓挫したことを受け、8日午後、首相公邸で平野博文官房長官、松野頼久官房副長官らと移設案をめぐり協議した。10日に関係閣僚協議を開き、最終案を決定し、12日に米ワシントンで日米両政府の外務・防衛当局の実務者協議を行う方向で調整している。

 複数の政府筋によると、首相が「辺野古の海は埋め立てない」と公言したことを受け、政府はシュワブ沿岸部を埋め立てV字形滑走路2本を建設する現行案に代わり、シュワブ沖合の水深10メートル以下の浅瀬に数千本の鋼材の支柱を打ち込み、その上に約1600メートルの滑走路1本を建設する方向で最終調整している。

 しかし、4日の日米実務者協議で米側はQIP方式について(1)滑走路と水面の間に空間ができ、テロ攻撃などの危険がある(2)沖縄は台風が多く、風雨の影響が大きい−などの問題点を指摘し、難色を示した。

 政府の試算では、浅瀬案は住民の騒音被害を現行案より軽減できるメリットがあるが、工期は7年を要し、建設費は現行案の1・5倍、浅瀬を埋め立てた場合に比べると2倍近い。完成後も年1億円以上の維持費が必要だ。埋め立て方式に比べ、潮流の変化は抑えられるが、日照が遮断されるため、サンゴや藻場などへの影響は避けられない。

 加えてQIP方式には国民新、社民両党も反発している。国民新党代表の亀井静香郵政改革・金融相は7日に「マリコン(海洋土木工事会社)と鉄鋼業者が潤うだけだ。沖縄県民も受け入れ難い」と批判した。

 浅瀬案を埋め立て方式に変更すれば、米側が理解を示す公算が大きいが、「現行案の修正にすぎない」との批判は免れない。政府・与党には、一度消えたシュワブ陸上案を軸に再考を促す意見もあるが、これも反発が予想される。

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